Spinning around

ただし、Bさんは本来隣のグループ長だったところを、人手不足でこちらのグループ長も兼務していたため、結局AさんもBさんも私のグループも全員が微妙に専門が異なっている、というのが気になっていた。
きちんと「経験ある人材」を見極められるのだろうか、という点で。

とりあえず、Aさんが必要な資格を取得するまでは契約社員として働くことに。

ところがAさんが入って1か月もすると、グループ内では「どうやらAさんは期待していたほどは仕事ができない、それどころか新入社員にも劣る」という共通認識が出来上がった。

なぜなら、

1. 手が遅い。
2. 打合せ資料、報告書の作成、積算等のその年齢で当然できてほしいことができない。
3. 資料作成手順を何度説明してもかたくなに作らないどころか、プライドが高く人に指示されるのが気に食わないらしく、反論してくる。（恐らく、説明されても作ることができないのだとは思う）
4. 社内・社外問わず、人と会話するときに「言うべきこと」と「言わなくていいこと」の区別がついていない。
5. 何かというと「初めてのことなんで」と言い訳をする割には2回目もできない。
6. 全然関係ない仕事の打合せをしている人達のテーブルの資料を通りすがりに凝視したり、他の人のディスプレイも通りすがりに首が残るほどガン見。

等々。

「新入社員ならまだしも、もう30代も終わりに差し掛かっている年齢の人がそんな状況じゃどうしようもない」、「そもそもBさんは何を思って採用したんだ」という雰囲気が出来上がってしまった。

結局3か月もすると、グループ内外の人（グループ外の人にとっても、↑の6のようなおかしな行動が目につく）の間では「何もできない人かつ気持ち悪い人」という認識に。

4月になると、新しいグループ長Cさんが異動してきた。
このCさん、悪い人ではないけど、何でも思ったことを全部口に出す人。

Aさんに対して、

「君、これまでにこれ系の仕事の経験もないの？」
「もう30代後半なのにこんなこともできないの？」
「何言ってんの？」

と、素直な意見を言いまくる。
おまけにCさんはめちゃくちゃ声がでかい。

まあ、Cさんの言いたいことはみんなが言いたいことだけど、言い方が悪いからパワハラと言われても仕方がないご時世。

そして7月、ついにAさんは医師の診断書持参で心身の不調を訴え、就労制限がかかる事態に進展。
制限内容は以下の通り。

1. 9時から17時までしか働かない。（うちの会社は残業多い）
2. 責任ある仕事はさせない。
3. 外部の人との接触はしない。

もはやアルバイトと同じ。でも給料は私と同じ。

そして制限がかかって更に1週間後、今度はAさんから「ちゃんと元気になるために長期の休みをもらいたい」という申し出が。

確かに社員だから権利はあるよ、でも図々しいと思ってしまった。

ただ、これは診断書が下りなかったようで、却下。
…そもそも心身の調子が悪い、ということ自体が大げさで、会社に残るための戦略という気までしてくる。

でも休みをもらえなかった代わりに、うちのグループの仕事をしたくないとBさんに言ったらしい。
ちなみに現在、Bさんは出世してグループ長を束ねる偉い人。

私のグループの状況、雰囲気を正確に把握していないBさんは、Cさんの言い方とグループの対応が悪いと判断したらしく、結局AさんはBさんの秘書に。

秘書なんて、そんなポジションはないのに。

ただし、それは一時的な措置。

うちのグループで中途採用された以上、部署を変わることはおろか、最初の契約とは違う仕事はできない。
最近ではうちのグループの補助的な仕事を頼んでいるけれど、2時間の会議テープの文字起こしを1週間かけるという使えなさ。
専門用語がわからないアルバイトだって、どんなに長くかかっても2日で起こす。

さすがにそのうち辞めるだろうと思っていたが、最近こちらに住民票を移したとのこと。（Aさんは隣県からの単身赴任中）

補助的な仕事だけして会社にしがみつく気満々。
契約社員にも無期雇用があるしな。。。
せめてアルバイト契約なら許すけど。（現状アルバイト未満だけど）

最近、Aさんはカオナシみたいな人で、引き入れたBさんは千尋だと思ってしまう。

でも結局千尋は自分でカオナシを湯屋から出して、しかるべきところ（銭婆）に引き渡した。

当分Bさんが千尋のような行動を取るとは思えない。
ああ、カオナシ、自分でどっか行ってくれないかな。。。